おや?親のとびら

それでも彼らはやって来る

2014.5.8 [児童館の思い出14年史]

児童館職員としての14年間。足跡を綴ります。

子どもに関わる方、親御さんに、子どもとの関わりのヒントや児童館のような場所(学校でも家でもないナナメの関係ができる場所)の存在意義を知っていただけたら嬉しいです。

これから私が関わっていく『進学塾 みらい学舎』も・・・

もしかしたら“ナナメの関係”が作れる場所かもしれない。

教育と福祉、混ざりそうもないこの関係を、新たな視点をもってチャレンジしていきたいと思います。(太田佳代子)

**********************

【児童館の思い出5:それでも彼らはやって来る】

 

児童館1年目、私31歳。

来館者の多くが乳幼児親子さんと小学生で、少数だけど中高生も来ていました。

アリーナという体育館が使えたので、中高生でも楽しめるところがあったのです。

 

私もまだ若かったから、子ども達と一緒によくバスケをしました。
やんちゃな中高生とも^^

一緒に遊んでいると、いろんな意味で情が移るというのかな、

よく羽目を外し、よく切れだし、怒り出すと体も大きいし力も強いので

ヒヤヒヤさせてくれましたが、見放すことはできませんでした。

 

どんなことがあっても、

次に来たときはいつも通りに「お!来たね~こんにちは!^^」とお出迎え。
まずはあいさつしながら、その子の表情からいろんなことを読み取ります。
「あ~、今日はなんかむしゃくしゃしてる感じだな~」
「お、今日はなんかいろいろ話したいみたいだね♪」
などなど、聞かずとも感じるその子の様子で、私も周波数を合わせていきます。

 

けれど、いくら調子良い感じで来館しても

子どものココロはちょっとしたことで変わります。

あの日も・・・何かがきっかけで切れだし暴れ出しました。体を張って彼らを落ち着かせました。

泣いて語りかけました。がむしゃらに…私の気持ちをぶつけていました。へとへとになるまで。

 

でも彼らは、そんなことがあってもまた児童館にやって来るのです。

 

今思えば、児童館に来てくれているうちはまだ良かったな~と。

高校生世代後半に児童館に来ることはなく、風の便りでカラーギャングに入ったことを知りました。

 

当時は私、目先の子ども達の行動に注目してしまい、

背後の子ども達の様々な生きづらさを感じる余裕がなかったな…。

今にしてそれを思います。あの時はそれが私の精いっぱいだったのは確か。

児童館1年目の、ほろ苦い経験でした。

 

時は過ぎ、彼らが24,5歳になった頃でしょうか? ばったりスーパーで、その中の一人と会いました。

「俺はもう足を洗って仕事をがんばってるよ。太田さん、懐かしいな~。」って、

バスケして笑いあっていた時の笑顔と同じ表情を見て、私の心が喜んだのは言うまでもありません。

No comments yet.

Sorry, the comment form is closed at this time.