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大人の側の想像力が大事(説明会にて)

2017.12.4

昨日12月3日、冬期講習説明会を開催させていただきました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
それぞれの学年やコースの、保護者の方々へ、今一番伝えたかったことを、伝えたつもりです。

その一つに、子どもだちの「戸惑い・困難」についてお話しました。
実際に一昨日の中3生の演習での出来事を例にとって。


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昨日の中3生がチャレンジした、過去問テスト。

 
大問①の内容は、特養とグループホーム。
制度上の問題点や、「認知症」の方々に対応するさいの認識のあり方などなど、
まさに、現代の問題が横たわるテーマ。
でも、現役中学生にとっては、身近ではない事柄。
これを、50分間の試験時間の中の、せいぜい20数分で読んで、設問に正解していかなくてはならないのです。

解説の授業の最初に、「特養」「グループホーム」「認知症」とは何ぞや、を子どもたちに問うてみました。
案の定、「?」でした。珍回答もでてきました(^-^;

ちなみに
大人のみなさん、いかがですか?どれだけ説明できますか?

一方、大人の多くは「当たり前にわかる」と思ってしまうことで、子どもたちは理解できずに戸惑っていることもあるのです。

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北辰テストの過去問のやはり大問①。
こちらはある中学の野球部の試合の物語でした。
場面は9回裏。2対2の同点。フライを取り損ねてしまえばサヨナラ負けの危機というシーンからはじまりました。
途中、主人公のチームは6回表で2点を先制、しかしその裏に同点にされてしまうシーンが描かれていました。

解説時は、「物語は時間軸が過去に行ったり現在にもどったりと変わることがあるから、その時間軸を意識しようね。」などと話していました。
しかし、授業も終了してくつろいでいた中での会話中に、

「先生、今日の国語の『裏』とか『表』ってなんですか?」

 

「え・・・・・そこ~~~~~~~~!?( ゚Д゚)」

 

そうなんです。この女子中学生たちにとって、野球の試合のルールなんて、これまで全く興味のないものの一つだったのでしょう。

この生徒たち、いつもは安定的に国語の点数はとれる子なのですが、
昨日は大問③の説明文が終わらずの解答用紙になっていました。
大問①にてこずってしまった結果、時間が間に合わなかったんです。

「なんで最後まで答案埋めなかったの~!?だめじゃない。」
と、いいたくなるところでしょうが、その原因を探ってみれば、
こんなこともあるのが、現状なんです。

親や大人は簡単に「勉強しなさい、勉強すれば成績はあがるはずよ」と言いそうですが、
もっともっと、現代を生きる子どもたちなりの、
「分かりづらさ」「戸惑い」「困難」
といったものに気づこうとしていく、こちら側の想像力が求められます。

私もまだまだ。
でも、きづいたところから、子どもたちと問答を繰り返しながら、
子どもたち自身の言葉の宝の箱を一緒にいっぱいにしていきたいと思います。

これ、塾だけでは限りがあります。ぜひ、おうちでも、
いろんな問答をこどもたちとしていってあげてほしい、
興味をもって、考えて、自分なりの意見を言えるようになってほしい。

そんな話を、今日はさせていただきました。

長文、失礼しました。

 

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